concept


新小岩駅から徒歩15分程度の住宅地に位置し、
幅員10mのバス通りに面する敷地に建つ住宅
である。敷地は東西南の3面を周囲の住宅に囲
まれ、道路に面する北側のみ開放される。道路
に対してコンタクトな配置としたため、敷地の
南側には深い井戸のような坪庭が生まれた。 
プログラムは共稼ぎ夫婦2人+子供とそれぞれ
の両親の7名で住まう3世帯住宅である。  
生活スタイルが異なる3世帯が気兼ねなく生活
できる住宅が求められた。         
規模から考えると、それぞれの世帯がそれぞれ
6帖程度の個室を持つのが精一杯であり、多く
の時間を共有のリビングで過ごすことになるこ
とが想定される。従って、リビングをできるだ
け大きく確保することを第1に考える必要があ
った。そこで、1階にガレージ、夫婦の個室、
共有のユーティリティー、2Fにキッチンとリビ
ング、3Fにそれぞれの両親の個室及び収納スペ
ース(将来の子供部屋)を設け、将来のバリア
フリー対策としてそれらを住宅用エレベーター
で繋ぐという形式を採用することとした。  
夫婦は共稼ぎであるため日中の多くはそれぞれ
の両親の2世帯が2階のリビングで過ごすこと
になる。キッチンを中央に配置することにより
、北側と南側に性格の異なる場所を設け、2世
帯が適度なプライバシーが確保しながら生活で
きるような計画とした。          
北側は道路に面した開放的吹き抜け空間であり
、南側は坪庭に面したプライバシーの高い空間
である。いまのところどの世帯がどの場所を専
有してゆくことになるのか不明であるが、徐々
にその使い方を発見していくことになるだろう
。                    
          



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